一茶一菓

日本茶インストラクター&フードコーディネーターとして「食生活でこころとからだを元気にしたい」という思いから活動しています。

祇園祭の2週間だけ食べられる、稚児餅

こちらは、八坂神社南門前にある「二軒茶屋 中村楼」の稚児餅。
祇園祭の7月14日~31日までの2週間だけしか食べられないのです。

拾遺都名所図会 二軒茶屋日文研HP)

「阿蘭陀が細工にいかぬ我国の祇園豆腐のやはらかな音」と書かれています。
八坂神社の南側に、東側の中村楼と西側の藤屋がありました。
茶屋が二軒あったので二軒茶屋と呼ばれていました。
当時、オランダ人が洛東を通るときに、東方の茶店で休むのがおきまりとなっていたそうです。

文研の中には、こんな記載があります。
「毎年6月1日(旧暦なので、現在の7月1日)には、
炙り餅を串にさして、豆腐に合わせ味噌引きとし、これを合餅(あわせもち)といふ。
氷餅(水無月)にも准し物ならん。
此日、祇園会鉾の児、其外参詣の人々にもこれを出す。
又6月6日にも神楽所(神社内)にて、祭儀の役人にこれを出して、嘉例とす」


そういったところから、
現在では、7月13日の長刀鉾稚児社参の際、
儀式の後に、お稚児さんにこの稚児餅が振る舞われます。
そして、一般の方でもカフェでいただくことができます。
抹茶とセットで1300円です。

お店は2014年リニューアルされて、ちょっとモダンになりました。
前の方がレトロで好きだったので残念・・。


ちなみに、三條若狭屋さんのちご餅は、
中村楼の稚児餅を元に創作されたものです。



藤屋は明治初年までありましたが、今は井戸だけ残ってます。