一茶一菓

日本茶インストラクター&フードコーディネーターとして「食生活でこころとからだを元気にしたい」という思いから活動しています。

爽やかな新茶を五感で楽しみましょう

今日は、宇治市小倉にある、吉田銘茶園様と森半様に、
茶摘み体験、工場見学でお邪魔しました。
人数が多かったため、一部、二部と分かれていただきました。


まず、巨椋神社の裏手にある「玉露の碑」を見に行きました。
碑の周りにもお茶の木が植えられています。
ただ、後ろに旗があったり、周りに車が止まっていたのが残念。
撮影しにくかったですね・・。[#IMAGE|S7#]


吉田銘茶園様は、宇治で唯一、本簾茶園(よしずと藁)栽培をされています。
やぐらも木でされているのは珍しいとか。
また、十四代園主 𠮷田喜三郎さんは、
宇治茶手揉み製法の無形文化財保持者として認定されていらっしゃいます。
さらに、十六代園主 𠮷田 利一さんは、宇治茶製法手揉み保存協会 会長を務めていらっしゃいます。
さらに、日本最古の茶園、高山寺茶園の肥培管理を管理され、
そのゆかりもあって、「鳥獣戯画」の絵を使用できる許可もとられているというすごいところです。
それなのに、ご家族の皆様気さくで、本当に素敵な方々なんです。
もちろんお茶もおいしいので、大ファンです。

ということで、こちらで茶園のお話をうかがい、
お茶摘み体験、工場見学、石臼挽き体験をし、
そのあと、利一さん自ら玉露を淹れて頂きました。
茶器も朝日焼きで素敵でした。
農家さんに直接お話を伺う機会もあまりないので、
みなさん熱心に質問攻め。
あっという間の時間でした。



森半様も全国で有名なお茶屋さんですよね。
会社名は共栄製茶になります。
百貨店やスーパーにも入っているし、海外に輸出されたりなど、
幅広いご活躍をされていらっしゃいます。
こちらの社長の奥様と息子様に、ご案内していただきました。

石臼工場と江戸時代のお茶壺道中を描いた屏風を見せていただきました。
なかなか碾茶を石臼で挽くところを見る機会がないため、貴重な経験です。

屏風はこの時期にしか出されていないそうで、貴重な代物です。
京都でお茶を摘み、茶壺に入れて江戸へ運び、最後江戸幕府の方が飲まれるまで、
とてもわかりやすく描かれていました。

それから、新茶の抹茶とひね(寝かせたものをいいます)の抹茶との飲み比べをさせて頂きました。
お菓子もつけていただいて、至れり尽くせり、ありがとうございます。
通常、新茶の抹茶というのは、あまり出回りません。
というのは、新茶だけだと味が薄く乗らないため、ひねとブレンドしてしまうからです。
江戸時代、春に摘んだお茶を壺にいれて寝かせて、秋に開封して飲んだのもこのためですね。
それで、私も新茶の抹茶は飲んだことがなかったのですが・・。
今年のお茶は出来がよいそうで、とってもおいしかったです。
このまま販売してほしかったくらいです。

それから、日本茶インストラクター京都支部式のお抹茶の点て方も伝授。
「抹茶の研究」「お抹茶のすべて」を著されている、桑原秀樹さんの方法でもあります。
これにもみなさま驚かれていて、こちらもうれしい限りです。


私も何度も工場を見ている割に、
新しい発見もあり、とても勉強になりました。

改めて、吉田利一さん、吉田昌弘さん、森下庸子さん、森下大輔さん、
ほか工場の皆様、大変お世話になりました。
とても勉強になるお話と貴重な体験をありがとうございました。